花の呪い
明け方はろくな事を考えない。
思考の結果だけは、夜があけても、その場にのこされてしまう。決まってのちにわからなくなる。僕が夜をしつけするなら、まず完食させることを教えると思う。━━━━
背丈がリヴィングのテーブルと同じ頃、明け方はもっとおだやかなはずだった。キャンプ二日目の朝露のかおり、正月の日の出を待つ凍てつく風。うんとわからなくなってしまった気がする。
他人のことがいつしか大事になっていた。ひとりの時、外ばかりみている。思うに、自分をないがしろにしていた。感覚と価値観が微妙なはやさですれ違っていた。きれいなあざみをみて気付いた。
原始的な、そもそもどう感じるかという問が、いつも回送列車のように通り過ぎていく。いつしか、花と花を比べている。
僕はたぶん、花の呪いを罹った。